映画概要

【イントロダクション】

舞台に立ち続けて60年、俳優 仲代達矢。
日本映画の黄金時代に 黒澤明、小林正樹、市川崑、木下恵介、岡本喜八、五社英雄など、綺羅星のごとき名監督と主役として向き合ってきた。
今もなお「演じることの重さ」に耐え、「役者」として生きる 仲代達矢の姿を描いた・・・・。

仲代達矢(本名:仲代元久)は1932年(昭和7年)東京生まれ。
1955年(昭和30年)に俳優座養成所を卒業、俳優座に入る。
イプセン作「幽霊」で主役オスカルを演じ、新劇演技賞を受賞。映画のエキストラに応募するも9回落選。「火の鳥」(日活・1956)で準主役、翌年「黒い河」で小林正樹監督の目に留まり、「人間の條件」(全6部作)に主演という大抜擢を受ける。各2部ずつ、3年間にわたり撮影する合間に、黒澤明監督「用心棒」「椿三十郎」に相次いで出演。その後「切腹」(小林正樹監督)、「影武者」「乱」(黒澤明監督)にも出演し、世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)すべてを受賞。一方俳優座の芝居を忘れず、半年ごとに舞台公演と映画、テレビ出演を務めた。
1975年には、妻 恭子(脚本家、演出家)と共に俳優養成のための私塾、無名塾を立ち上げ、数多くの俳優を世に送り出してきた。そして無名塾は来年創立40周年を迎える。俳優歴60年、80歳になってもなお、演じることにどん欲に向かい、初めて不条理劇「授業」に挑み、続いて「ロミオとジュリエット」のロレンス神父に取り組んだ。なぜ80歳を越した今も、膨大なセリフという困難な役に挑むのか? それは天職とも言える「役者」として生きてきたからであり、仲代達矢が背負い続けてきた「生きることの重さ」そのものだという。

【第一章 永年の夢「授業」に取り組む】
仲代が取り組んだ芝居は、イヨネスコ作「授業」。
映画「切腹」でカンヌ映画祭に出かけた半世紀前、妻 恭子とパリの小さな劇場で見て衝撃を受けた作品である。「いつかはやりたい」と思ってきた。

【第二章 俳優が俳優を育てる】
仲代と妻 恭子が「無名塾」を開いたのは1975年。「俳優が俳優を育てる」という難題に取り組み始めた。2013年春29期生の入塾審査が行われた。仲代は最初から最後まで自分の眼で選んだ。

【第三章 「ロミオとジュリエット」】
無名塾 座長、仲代達矢、80歳。役者として60年間、新劇の舞台と映画・テレビの映像の世界を生きてきた。そして間もなく無名塾は創立40年を迎える。これから若い俳優たちに、いかにして引き継いでゆくか、バトンタッチして行くのか? この「ロミオとジュリエット」がその重要な場となった。